MM薬カイプロリス、P3で有意差なし
米アムジェンは、多発性骨髄腫(MM)治療薬「カイプロリス」(一般名・カルフィルゾミブ)について、未治療のMM患者を対象に行った第3相臨床試験(P3)で主要評価項目を達成できなかったと発表した。武田薬品工業などが販売している類似薬「ベルケイド」との比較で、無増悪生存期間(PFS)の優越性が示されなかった。
新たにMMと診断され、造血幹細胞移植が不適応な患者を登録した国際P3(CLARION試験)。日本も試験に参加した。メルファラン、プレドニゾロンと併用する治療薬として、両剤とベルケイドを併用する治療法と比較した。主要評価項目としていたPFS(中央値)は、カイプロリス群が22.3カ月、ベルケイド群が22.1カ月と有意差がなかった。全生存期間(OS)も現時点のハザード比は1.21で有意差が示されなかった。グレード3では、ベルケイドに対する優越性を示すデータを得ていた。
MMのファーストライン適応でベルケイドと比較する試験は医師主導治験でも行われており、アムジェンはこの治験データを活用して適応拡大を図る方針。
カイプロリスは第2世代のプロテアソーム阻害剤。米国では第1世代のベルケイドの特許切れが迫っており、アムジェンは同剤に対する優越性を確立したい考え。
(化学工業日報 2016年9月30日)