CDK4/6阻害剤、米で乳癌適応承認
大塚製薬はこのほど、英子会社アステックスとスイス・ノバルティスが共同研究で見いだしたCD
K(サイクリン依存性キナーゼ)4/6阻害剤リボシクリブ(ribociclib)が、ホルモン受容体陽性/ヒ
ト上皮成長因子受容体2陰性(HR+/HER2-)の進行性乳がんにおけるアロマターゼ阻害薬との
併用の第一選択薬として米食品医薬品局(FDA)から承認を取得したと発表した。ノバルティスが
「Kisqali」という製品名で上市する予定。
アステックスは契約にもとづき、ノバルティスから承認時マイルストンと販売にともなうロイヤル
ティを受け取る。
同剤はアステックスとの共同研究をもとに、ノバルティス バイオメディカル研究所が開発した。
がん細胞の増殖に重要な役割をはたすCDK4とCDK6を選択的に阻害して腫瘍の増殖を抑制する
と期待されている。ノバルティスは、FDAからブレイクスルーセラピー(画期的治療薬)および優
先審査の指定を受けていた。
第3相臨床試験(P3)では、標準治療薬のレトロゾール単独群とリボシクリブとレトロゾール
(letrozole)の併用群とを比較して、主要評価項目である無増悪生存期間を有意に延長した。
CDK4/6阻害剤としては、米ファイザーのパルボシクリブが先行している。その他に米イーラ
イリリーもabemaciclibを開発中。
(化学工業日報 2017年3月23日)