線虫で膵臓がん調査 ベンチャー企業、来年から
がんのにおいに反応する線虫を利用して、膵臓がんの疑いがあるかどうかを調べる手法を開発し、
来年から有料でサービスを始めると東京のベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」(広津崇
亮社長)が16日、発表した。遺伝子組み換え技術を応用して、発見が難しい早期膵臓がんも検出可
能としている。
広津社長によると、膵臓がんは画像診断など、従来の手法では早期発見が難しいが、尿を調べるこ
とで早期発見につながるとしている。
線虫はにおいに敏感で、健康な人の尿には近づかず離れるが、がん患者の尿には近づく特性が知ら
れている。(1)普通の線虫で「がんの疑い」を調べる(2)遺伝子組み換えで膵臓がん特有のにお
いを識別できなくした線虫で、再び調べるーという仕組み。
同社の実験では、膵臓がん患者22人の尿は全て正しく判定。その他のがん患者46人で調べると、
約9割の精度で「他のがん」と判定した。早期膵臓がんの患者の尿も識別できたという。
(共同通信社 2021年11月17日)