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がん「領地」拡大の仕組み解明 正常細胞死なせ割り込む

 将来がんになる細胞(前がん細胞)が、周囲の正常な細胞を押しのけて「領地」を拡大させていく

仕組みを、大阪大などの研究チームが解明した。この仕組みを妨げることができれば、将来的に、が

んを早い段階で治療できる可能性があるという。

 

 前がん細胞は、正常な細胞より早く分裂し、その結果がんをつくる。だが、細胞同士は満員電車の

ようにぎゅうぎゅう状態で隣り合っているため、好き勝手に領地を広げられない。前がん細胞がどう

やって領地を広げるのかは分かっていなかった。

 

 ショウジョウバエのサナギを使った実験で、突き止めた。前がん細胞は周辺の正常細胞が死ぬよう

に促した後、「空き地」になった場所を獲得するため、自身の細胞のサイズを大きくし、正常細胞と

の間に割って入ることがわかった。割り込みやすくするため、細胞の形を巧妙に変化させていること

も確認できた。その後、細胞分裂を進め、さらにがんを大きくしていくとみられる。

 

 同大の藤本仰一准教授(生物物理学)は「前がん細胞が正常細胞の間に割り込めないようにするこ

とができれば、がんの超初期の治療につながる可能性がある」と話す。論文は米科学誌カレント・バ

イオロジーに掲載された。

 

(朝日新聞 2018年7月4日)

がん転移促進物質を発見 滋賀医大、新薬開発に道

 がんの転移を促進する「EMP1」というタンパク質を発見したと、滋賀医大の扇田久和教授(分子

病態生化学)のチームが19日発表した。

 

 EMP1の量を把握できれば転移しやすいかどうかの目印になり、働きを抑える物質を見つけられれ

ば、転移や周囲への広がりを防ぐ新たな薬剤を開発できる可能性があるとしている。

 

 成果は国際専門誌電子版に掲載された。

 

 チームは、転移の初期段階に、がん細胞で働いている遺伝子の状況を解析。すると、EMP1を作り

出す遺伝子が細胞表面で活発に働いていることが分かった。

 

 EMP1が多く作られるようにした前立腺がん細胞を作製し、マウスの前立腺に移植すると、リンパ

節や肺へ転移した。EMP1がほとんど作られないようにした前立腺がん細胞を移植いた場合は転移が

見られなかったことから、EMP1が転移に深く関与していることが判明した。

 

 また、がん細胞表面のEMP1は、がん細胞内の別のタンパク質と結合し、細胞の移動能力を上昇さ

せ、転移を促進していることも突き止めた。

 

 扇田教授は、がんで亡くなるのは転移によるものが多いとし、「転移を抑制することで、がんによ

る死亡を減らしたい」と話している。

 

(共同通信社 2018年6月20日)

肺がん悪性化の仕組み 群馬大大学院研究グループが一端を解明

 群馬大大学院医学系研究科の六代範すすむ講師らの国際研究グループは3日までに、肺がんが悪性

化する仕組みの一端を解明したと発表した。新たながん診断法や、特定の遺伝子に効く治療薬の開発

につながる成果としている。

 

 研究グループは、肺がんの約3割を占める扁平上皮がんの細胞を分析。がんの発生や進行を抑える

働きをする分解酵素を発見した。さらに「STXBP4」と呼ばれる特定の遺伝子が、この分解酵素の働

きを抑制し、がんの悪性化を招くことを明らかにした。

 

(上毛新聞 2018年6月4日)

腫瘍減退の仕組み発見 福島医大グループ、新抗がん剤開発に期待

 福島医大新医療系学部設置準備室の北爪しのぶ教授(50)らの研究グループが、腫瘍内の糖鎖

「a2、6ーシアル酸」がなくなると腫瘍の血管部分の細胞が死にやすくなるメカニズムを発見し、10

日までに英国の科学雑誌「オンコジーン」オンライン版に発表した。研究成果は、従来にはない効果

を持つ抗がん剤の開発につながる可能性があるという。

 

 研究グループは実験で、「a2、6−シアル酸」が欠損しているマウスと通常のマウスそれぞれに腫

瘍細胞を移植した。結果、欠損しているマウスは腫瘍の成長が通常のマウスより遅くなった。この糖

鎖がないと、腫瘍内の血管部分の細胞に異常なシグナルが伝わり、細胞が死にやすくなることが分か

った。

 

 研究グループは現在、この糖鎖を作用しないようにするための化合物を探している。新たな化合物

が見つかれば、抗がん剤として使われる「血管新生阻害剤」の開発につながるという。

 

 血管新生阻害剤は既に使われているものがあるが、期待したほどの効果が得られないケースが多い

という。

 

 北爪教授は「既存の薬で用いられているものとは異なるメカニズムを発見した。血管新生阻害剤と

して新しい効果が期待できる」と話している。

 

 研究グループには理化学研究所の研究者のほか、福島医大看護学部の本多たかし教授が加わった。

 

(福島民友新聞 2018年5月11日)

悪性リンパ腫の細胞死滅 京大教授ら成果、抗がん剤開発へ期待

 悪性リンパ腫に関連する酵素の構造を不安定にすることで、リンパ腫のがん細胞を死滅できた、と

京都大医学研究科の岩井一宏教授や工学研究科の白川昌宏教授らが24日、発表した。酵素の構造を標

的とした抗がん剤開発につながる成果で、米科学誌に25日掲載する。

 

 ヒトやマウスなどの細胞内で、タンパク質の働きや挙動を決める酵素「LUBAC(ルバック)」

は、特定の悪性リンパ腫で活性が高く、いくつかの抗がん剤の耐性に関わることが知られている。酵

素活性を下げる研究が進められてきたが、十分な成果を得られていなかった。

 

 研究グループは、酵素を構成する三つのタンパク質の結合状態を分析。最も強い結合部分の阻害剤

を開発し、細胞に加えたところ、安定した構造の酵素が減少した。また、阻害剤を加えるとヒトの悪

性リンパ腫の細胞が死滅することを確認した。

 

 今月から製薬会社と創薬に向けた研究を始めたといい、岩井教授は「効率的に結合を弱め、酵素の

量を減らす手法を見つけたい」と話している。

 

(京都新聞 2018年4月25日)

がん細胞増殖「抑制構造」発見! 福島医大・植村講師らチーム

 福島医大解剖・組織学講座の植村武文講師(38)と和栗聡教授(53)らの研究チームが、がん

の原因遺伝子として知られるタンパク質「上皮成長因子受容体(EGFR)」の細胞増殖を抑えるメカ

ニズムを発見し、英国のオンライン科学誌「サイエンティフィックリポーツ」に発表した。このメカ

ニズムを利用した抗がん剤の開発が期待されるという。

 

 発表は1月22日付。研究チームによると、EGFRは細胞膜上に存在し、正常な細胞が増殖する際

に重要な役割を果たすが、異常が起きるとがんの原因になる。研究では、細胞の中にあるタンパク質

「GGA2」の量が少なくなると、EGFRは「リソソーム」と呼ばれる細胞内で分解を専門に行う場所

に運ばれて分解されやすくなることを突き止めた。

 

 現在、抗がん剤としてEGFRの機能を阻害する薬が使用されているが、がん細胞は薬への耐性を得

て再増殖してしまうため。別のメカニズムを利用した抗がん剤の開発が求められている。今回の発見

が新たな抗がん剤の開発につながることが期待されているという。

 

 研究チームは肝細胞がんと大腸がんの細胞約40種類を分析し、約8年かけて福島医大単独で研究

成果をまとめた。研究当時同講座講師だった亀高諭名古屋大学教授も加わった。

 

 和栗教授は「創薬のターゲットになり得るメカニズムを見つけることができた。さらに詳細を追求

していきたい」と話している。

 

(福島民友新聞 2018年2月14日)

兵糧攻め+分子標的薬=肝臓がん治療に効果 近畿大

 肝臓がんの臨床試験で、がんに栄養を運ぶ血管をふさいで「兵糧攻め」にする治療法と、分子標的

薬を組み合わせることで、従来を上回る治療効果がああったと、近畿大の工藤正俊教授(消化器内

科)らが20日、米国臨床腫瘍学会で発表する。

 

 国内では毎年約3万人が肝臓がんで亡くなっている。早期で見つかる人が多いが、大半がその後進

行する。手術で切除できない中等度の病期になると、がんを兵糧攻めにする「肝動脈化学塞栓療法

(TACE)」などが治療法になる。さらに進行すると、がん細胞などの特定の分子を狙い撃つ分子標的

薬「ソラフェニブ」を使う。

 

 TACEは効果的だがその後の再発が多い。ソラフェニブとの組み合わせで再発をおさえられるので

はという仮説があったが、これまでの製薬会社などの臨床試験では確認できていなかった。

 

 近畿大など全国33の医療機関は2010〜17年、中等度の肝臓がん患者80人に、TACEとソ

ラフェニブを組み合わせる治療を実施。その結果、がんが大きくならない期間が25・2カ月で、

TACEのみの患者76人の13・5カ月の2倍近くに延びた。データはまだ出てないが、生存期間を

延ばす傾向もあるという。

 

 工藤さんは「過去の臨床試験の詳しい分析から、試験の組み方を工夫したことがうまくいった要

因」と指摘。この治療法が一部の肝臓がんの標準的な治療法になる可能性が高いとして、「海外の治

療指針が変わる可能性もある。肝臓がんの患者さんに大きな朗報だ」と話している。

 

(朝日新聞 2018年1月17日)

血液がん治療、新免疫療法で 阪大、マウス実験で成功

 遺伝子操作した免疫細胞でがんを攻撃する新たな免疫療法を使い、血液がんの一種を治療すること

に、大阪大の保仙直毅准教授(呼吸器・免疫内科学)らのチームが成功した。7日、米医学誌ネイチ

ャー・メディシンに発表する。2019年度に治験を始める予定という。

 

 新たな免疫療法は「キメラ抗原受容体T(CAR-T<カーティー>)細胞療法」と呼ばれる。(1)免

疫細胞であるT細胞を体外に取り出し(2)がんの目印を認識して結合、活性化するように遺伝子操

作(3)体に戻すと、がん細胞を攻撃して死滅させるーという仕組みだ。他に治療手段がない急性リ

ンパ性白血病の患者の7割が長期にわたって生き延び、今年8月に米国で治療薬が承認され、注目さ

れている。

 

 チームは別の血液がん「多発性骨髄腫」で、細胞の接着に関わるたんぱく質「インテグリンβ7」

ががん細胞で活性化することを突き止め、その活性化した形にのみ結合し、正常な細胞にはくっつか

ない物質を見つけた。

 

 そして、インテグリンβ7を目印にして、がんとくっつくように遺伝子操作したT細胞を骨髄腫の

マウス16匹に注射したところ、12匹は60日間生き延びた。注射しなかった16匹は全て40日

以内に死んでしまった。

 

 多発性骨髄腫は新薬で効果が出ているが、再発して薬が効かなくなることが多い。保仙さんは「医

師主導治験を19年度にスタートさせることが目標だ」と話している。

 

(朝日新聞 2017年11月7日)

乳がん・卵巣がん発症に関わる遺伝子、アルツハイマーにも関与…東大などチーム

 遺伝性乳がん・卵巣がんの発症に関わる遺伝子が、代表的な認知症のアルツハイマー病にも関与し

ていることをヒトの脳で確認したと、東京大学などの研究チームが17日発表した。論文は米国科学

アカデミー紀要オンライン版に掲載された。

 

 研究では、死亡したアルツハイマー病の高齢者30人と、アルツハイマー病にならず死亡した高齢

者30人の脳を解剖。特殊な方法を用いて、その神経細胞の遺伝子の機能異常を分析したところ、ア

ルツハイマー病の脳では、遺伝性乳がんなどに関係する遺伝子BRCA1の働きの異常が高い頻度で確

認された。

 

 正常なBRCA1はDNAの損傷を修復すると考えられているが、研究をまとめた岩田淳・東京大学講

師(神経内科)は「脳の神経細胞が静かに衰えていくアルツハイマー病と細胞が激しく増殖するがん

には、実は、同じ遺伝子の異常でDNAの損傷が進むという共通項があると考えられる」と話す。

 

(読売新聞 2017年10月19日)

肺癌薬2剤のP3データ良好

 英アストラゼネカ(AZ)は、肺がんなどの治療薬として開発中の抗PD-1抗体「デュルバルマ

ブ」、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤「タグリッソ(製品名)」について、肺がんを対象に行ったそ

れぞれの第3相臨床試験(P3)の追加データを発表した。スペインで開催されている欧州臨床腫瘍学

会(ESMO)で報告した。デュルバルマブはプラセボ群より無増悪生存期間(PFS)を11カ月以上、

タグリッソは他のEGFS阻害剤より同8カ月以上延長する結果を得た。同社はこれらの試験に関連す

る承認申請を各国で始める考え。

 

 デュルバルマブでは、ステージ3の非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に行った「PACIFIC試

験」のPFSデータなどを発表。約700例を登録し、日本も試験に参加した。デュルバルマブ群の

PFS(中央値)は16・8カ月で、プラセボ群の5・6カ月に対して統計学的、臨床的有意な延長が

認められた。

 

 同社は開発中の抗CTLA-4抗体「トレメリムマブ」と併用し、ステージ4のNSCLCを対象に行っ

たP3(MYSTIC試験)では、PFSの主要評価項目を達成できなかった。だが、単剤療法で早期段階の

患者に対する治療効果は示されたことから、PACIFI試験の結果を基に各国で承認申請手続きを始め

る予定。

 

 タグリッソでは、EGFR変異型のNSCLCを対象に行った「FLAURA試験」のPFS値などを発表。同

じEGFR阻害剤でAZが開発した既存薬「イレッサ」、スイス・ロシュの「タルセバ」と比較した。タ

グリッソ群のPFSは18・9カ月で、イレッサ/タルセバ群(10・2カ月)を有意に上回った。人

種・遺伝子変異や喫煙歴の有無を問わずPFSが延長し、イレッサ/タルセバ群より死亡・症状進行リ

スクが低いことが認められた。全生存期間(OS)データはまだ評価中だが、臨床的有意な延命効果が

示されているという。

 

 タグリッソは、既存のEGFR阻害剤では効果不十分で、耐性化遺伝子変異(T790M変異)がある

NSCLCの治療薬として日米で承認されているが、今回の試験結果を基にファーストライン適応の取

得を目指す。

 

(化学工業日報 2017年9月13日)

代謝の過程解明 鶴岡・慶大先端研グループ

 山形県鶴岡市の慶大先端生命科学研究所の曽我朋義教授(メタボミクス・分析化学)らの研究グル

ープは、大腸がんの代謝メカニズムを解明したと発表した。「MYC(ミック)」と呼ばれるがん遺

伝子とMYCが制御している代謝酵素の抑制が、がん細胞の増殖を抑えることを突き止め、抗がん剤

の開発などへの応用が期待されるという。

 

 がん細胞が正常の細胞とは異なる代謝で、生存に必要なエネルギーを生み出していることは知られ

ていたが、どのようなメカニズムで代謝を変化させるのかについては解明されていなかった。

 

 曽我教授と香川大医学部の鈴木康之教授、国立かん研究センターの谷内田真一ユニット長らの研究

グループは、大腸がん患者275人の正常組織とがん組織を、慶大先端研のメタボローム(全代謝物

質)解析装置などで網羅的に分析した。

 

 その結果、正常な組織と比べて大腸がん組織で約8倍に増えるMYCが、がん特有の代謝変化に深

く関わっていることを確認。続く実験で、MYCが215種類の代謝反応を介して、大腸がんの代謝

を変化させていることを証明した。

 

 さらにMYCが制御する代謝酵素遺伝子の発現を抑制すると、代謝の変動が抑えられるため、がん

の増殖が著しく低下することが判明したという。

 

 曽我教授は「大腸がんの代謝は、がんの進行に伴って変化するのではなく、良性腫瘍の段階で変化

し、がん細胞が増殖する準備をしていることも分かった。予防法や治療法の開発につながることを期

待している」と述べた。

 

 研究成果は8月29日付の米国科学アカデミー紀要電子版に掲載された。

 

(河北新報 2017年9月7日)

米で新型がん免疫療法承認 小児の難治性白血病に 遺伝子改変で攻撃力増強

 米食品医薬品局(FDA)は30日、製薬大手ノバルティスが開発した、治療が難しい子どもの白血

病患者に対する新型のがん免疫細胞療法を承認したと発表した。

 

 患者の免疫細胞に遺伝子操作を加え、がんねの攻撃力を増強する治療法で、効果の高さが注目され

ていた。広く実施が認められたものとしては、米国初の遺伝子治療となる。

 

 治療は小児や若者の急性リンパ性白血病の患者が対象。患者から取り出した免疫細胞のリンパ球に

遺伝子操作を加え、がん細胞を見つけ攻撃する能力を高めた上で体内に戻す。

 

 FDAや米メディアによると、米国内で2015〜16年に、再発患者や他の治療法で効果がなかっ

た患者63人を対象に行った臨床試験では、3カ月以内に約8割に当たる52人の症状が大幅に改善

した。一方で11人は死亡した。重篤な副作用が出ることがあり、FDAは副作用に対応できる病院で

のみ治療するように求めた。臨床試験には日本の医療機関も参加した。

 

 こうした治療法はキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法と呼ばれ、ノバルティスは「キムリア」

と名付けた。1回の治療費は47万5千ドル(約5200万円)に設定された。

 

 米国では毎年、約3100人の20歳以下の小児や若者がこのタイプの白血病と診断されるとい

う。

 

 CAR-T療法は他の血液がんや乳がんなどの固形がんの治療法としても世界で研究が進められてい

る。

 

 国内ではノバルティスが急性リンパ性白血病の治療法として承認申請を準備中。タカラバイオ(滋

賀県)も臨床試験(治験)を行っている。

 

(共同通信社 2017年8月31日)

膵臓、肝臓がん依然厳しく 5年生存率65%に上昇

 国立がん研究センターは8日、2008年にがんと診断された人の5年後の生存率を公表した。肝

臓がんや膵臓がんは依然として治療が非常に難しいことが示された。全てのがんをまとめた生存率は

65.2%で、前年の64.3%からわずかに上昇した。

 

 各地のがん医療を中心的に担う拠点病院などのうち、全国の209病院で集計した約21万件を解

析。種類別で生存率が高かったのは、進行が比較的遅い前立腺がん(97・7%)のほか、乳がん

(92・7%)、子宮体がん(82.8%)。低かったのは膵臓がん(9.9%)や肝臓がん(3

8.5%)、肺がん(39.1%)だった。

 

 早期発見が難しく、生存率の低い膵臓がんは「難治性がん」の代表格で、新たな検査法や薬の開発

が求められている。

 

 全がんの生存率は東京の72.6%から沖縄の50.9%まで、地域によって差があった。ただデ

ータを集計した病院の数には限りがあり、データの精度も異なると考えられ、生存率が都道府県の実

態を表しているわけではないという。

 

 病院によって、患者の年齢やがんの進行度なども違い、治療成績は比較できないとしている。

 

(共同通信社 2017年8月9日)

エンザルタミドの乳癌開発中止

 アステラス製薬は18日、6月2〜6日に米国シカゴで開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO)で

発表例と、ファイザーと共同開発していたエンザルタミドのトリプルネガティブ乳がんでの第3相

試験(P3)中止決定を発表した。

 

 ASCOで発表されるのはギルテリチニブ、IMAB362,エンフォルツマブ・ベドチンなど。

 

(化学工業日報 2017年5月22日)

NSCLC薬の開発中止

 アステラス製薬はこのほど、上皮成長因子受容体(EGFR)変異選択的チロシンキナーゼ阻害剤ナコチ

ニブ(開発コード・ASP8273)の非小細胞肺がん(NSCLC)における第3相試験(P3)であるSOLAR試

験におけるナコチニブの投与中止を決定したと発表した。同試験の独立データモニタリング委員会から

の勧告に従った。ナコチニブのNSCLCの開発は中止する予定。

 

(化学工業日報 2017年5月16日)

新規ALK阻害剤、米でNSCLC適応承認

 武田薬品工業は1日、新規ALK阻害剤「アルンブリグ」(一般名・ブリガチニブ)について、クリ

ゾチニブ投与中に進行した、あるいはクリゾチニブ抵抗性のALK陽性の転移性非小細胞肺がんに対す

る治療剤として、米食品医薬品局(FDA)から承認を取得したと発表した。武田薬品は将来的に売上

高10億ドル超の大型品になると期待している。

 

 武田薬品が今年2月に買収した米製薬アリアド・ファーマシューティカルズの創製品。今回、クリ

ゾチニブ投与中に進行した、あるいはクリゾチニブ抵抗性のALK陽性の転移性非小細胞肺がんの適応

について、腫瘍奏効率、奏効期間の結果に基づき迅速承認制度のもとで承認を取得した。

 

 同剤は食事の影響なく投与できる1日1回の経口剤。クリゾチニブ抵抗性のALK陽性非小細胞肺が

んの適応でFDAからブレークスルーセラピー(画期的治療薬)に指定されるとともに、ALK陽性非小

細胞肺がんおよびROS1陽性とEGFR陽性の非小細胞肺がんの適応でFDAからオーファン・ドラッグ

として指定されている。今年2月には販売承認申請を欧州医薬品庁(EMA)に提出している。

 

(化学工業日報 2017年5月8日)

腎細胞癌薬、併用療法でPFS延長

 エーザイは28日、ドイツ連邦合同委員会(G−BA)no保険償還において、進行性腎細胞がん

に対する自社創製の抗がん剤「キスプリクス」(一般名・レンバチニブメシル酸塩)とエベロリムス

の併用療法が、既存のエベロリムス単剤療法と比較して追加有用性を持っていると確認されたと発表

した。確認された追加有用性に基づき、疾病金庫中央連合会との交渉を経て保険償還価格が決定され

る。

 

 G−BAによる評価は、キスプリクスとエベロリムスの併用投与の有効性と安全性を評価した第2

相臨床試験(P2)「205試験」に結果に基づく。同P2では血管内皮増殖因子を標的とした前治

療歴を有する、切除不能な進行または転移性腎細胞がんの患者対象とした。

 

 同P2ではキスプリクス/エベロリムス併用投与群は、エベロリムス単剤投与群と比較して主要評

価項目である無増悪生存期間(PFS)を有意に延長した。併用投与群における全生存期間(OS)

の中央値は、エベロリムス単剤投与群と比較して延長された。

 

 同剤は欧州市場において、オーファンドラッグの指定を受けている甲状腺がんの適応で「レンビ

マ」の製品名ですでに販売している。

 

(化学工業日報 2017年3月30日)

CDK4/6阻害剤、米で乳癌適応承認

 大塚製薬はこのほど、英子会社アステックスとスイス・ノバルティスが共同研究で見いだしたCD

K(サイクリン依存性キナーゼ)4/6阻害剤リボシクリブ(ribociclib)が、ホルモン受容体陽性/ヒ

ト上皮成長因子受容体2陰性(HR+/HER2-)の進行性乳がんにおけるアロマターゼ阻害薬との

併用の第一選択薬として米食品医薬品局(FDA)から承認を取得したと発表した。ノバルティスが

「Kisqali」という製品名で上市する予定。

 

 アステックスは契約にもとづき、ノバルティスから承認時マイルストンと販売にともなうロイヤル

ティを受け取る。

 

 同剤はアステックスとの共同研究をもとに、ノバルティス バイオメディカル研究所が開発した。

がん細胞の増殖に重要な役割をはたすCDK4とCDK6を選択的に阻害して腫瘍の増殖を抑制する

と期待されている。ノバルティスは、FDAからブレイクスルーセラピー(画期的治療薬)および優

先審査の指定を受けていた。

 

 第3相臨床試験(P3)では、標準治療薬のレトロゾール単独群とリボシクリブとレトロゾール

(letrozole)の併用群とを比較して、主要評価項目である無増悪生存期間を有意に延長した。

 

 CDK4/6阻害剤としては、米ファイザーのパルボシクリブが先行している。その他に米イーラ

イリリーもabemaciclibを開発中。

 

(化学工業日報 2017年3月23日)

癌抗体医薬、米仏でP1開始へ

 東レはこのほど、自社創製のがん抗体医薬品「TRK−950(開発コード)」について、米食品

薬品局(FDA)から第1相臨床試験(P1)開始に向けた承認を取得したと発表した。欧米での臨

床開発を加速し、2022年度の販売を目指す。販売できれば同社で初めての抗体医薬品となる。

 

 3月から米国とフランスでP1を開始する。同治療薬候補は、がん細胞に結合し攻撃するモノクロ

ーム抗体製剤。03年に設立した先端融合研究所で創出した。固形がんを対象としているが、標的と

する分子は明らかにしていない。東レとしては医薬・医療事業の成長を支えるファースト・イン・ク

ラス(画期的医薬品)の薬剤になることを期待している。

 

(化学工業日報 2017年3月6日)

悪性脳腫瘍対象分子標的薬、P1開始

 国立がん研究センターと第一三共は1日、共同研究で創製した抗がん剤候補「DS−1001」の

第1相臨床試験(P1)を開始したと発表した。悪性脳腫瘍(神経膠腫/グリオーマ)などにある遺

伝子変異をターゲットにした分子標的治療薬。初めてヒトへ投与するファースト・イン・ヒューマン

試験(FIH試験)を始めた。まずは悪性脳腫瘍の治療薬として開発を進める予定。

 

 悪性脳腫瘍や急性骨髄性白血病(AML)、胆管がんなどでは多くの場合「IDH1/2遺伝子」

が変異している。国がんと第一三共の研究チームは、変異型IDH1を選択的に阻害する分子標的治

療薬としてDS−1001を創製した。IDH1変異がある悪性脳腫瘍、AML、軟骨肉腫の細胞増

殖を抑制できる可能性を非臨床試験で確認し、このほどFIH試験を開始した。同変異があり、標準

的治療法がなく再発した神経膠腫(グリオーマ)を対象にしたP1で、国立がん研究センター中央病

院などで実施する。試験期間は約3年を予定。

 

 IDH1やIDH2に対する分子標的薬は米アジオス・ファーマなども臨床試験を始めている。

 

(化学工業日報 2017年3月3日)

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