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大腸がんで腫瘍免疫薬EP4阻害剤P1b/2へ

 エーザイは、自社創薬の腫瘍免疫治療薬候補であるEP4阻害剤「E7046」で、今年度中にも大腸がんに対する術前放射線療法との併用で、欧米後期第1相/第2相臨床試験(P1b/2)を開始する計画。E7046はその作用機序により、放射線療法の抗腫瘍作用を増強できる可能性が示唆されている。エーザイとしてはまず放射線療法との併用でE7046の薬剤としての可能性を高めていく。同P1b/2データを承認申請に活用することで2020年度の上市を目指す。

 

 E7046は米国のエーザイ・インク アンドーバー研究所が創製した低分子化合物。がん細胞は生理活性物質であるプロスタグラジンE2(PGE2)を発現させる。PGE2の受容体が単球上にあるEP4で、PGEと結合して活性化すると単球が免疫抑制作用を有するM2型マクロファージへと分化してしまう。E7046はEP4受容体を選択的に阻害することでM2型マクロファージを減らし、がん細胞を攻撃する細胞障害性T細胞(CTL)が働けるようにする。

 

 エーザイは同社初の腫瘍免疫治療薬候補として、欧米において固形がんを対象とした単剤でのP1を進めている。

 

 エーザイはE7046の早期上市に向け、今年度内にも欧米P1b/2を開始する見込み。局所進行性大腸がん患者を対象に、手術前に腫瘍のサイズを小さくしたり、再発を予防するために行う術前放射線療法の併用での開発を検討している。同P1b/2を承認申請に向けたピボタル試験にしていく計画。

 

 放射線療法を行うとがん細胞にストレスがかかり、EP4受容体のリガンド(特定的に結合する物質)であるPGE2の発現が増加することが知られている。EP4受容体を阻害するE7046に併用すると放射線療法の抗腫瘍作用が高まると期待されている。

 

(化学工業日報 2016年8月8日)

抗PD-1抗体、未治療進行膀胱癌でも効果

 治療歴がなく、シスプラチンの適応とならない進行性膀胱癌に対する抗PD-1抗体atezolizumabのシングルアーム臨床第2相試験IMvigor210の成績が報告された。全119例中28例(24%)に腫瘍の縮小が見られた他、全生存期間中央値は14.8ヵ月との成績が示された。米国臨床腫瘍学会(ASCO)が6月5日、年次学術集会の発表演題を紹介した。同試験では、二次治療としてatezolizumabを実施した群における成績が既に発表され、米国内でプラチナ製剤のレジメン後の治療に対する適応が迅速承認されている。

 

 今回の未治療進行性膀胱癌患者を対象とした検討では、中央値14.4カ月の追跡期間において全119例中28例(24%)に腫瘍縮小効果が認められ、これまでの最長奏効期間は18カ月以上、28例中21例(75%)がデータ解析時点も奏効期間の持続が認められた。全生存期間中央値は14.8カ月であった。

 

 atezolizumabによる治療の忍容性は良好で、重篤な有害事象の報告率は10−15%にとどまっていた。最も多い毒性に関する報告は甲状腺機能低下症と肝機能障害、発疹、下痢。薬剤毒性のために治療を中止した患者は全体の6%程度。研究グループは「カルボプラチンベースのレジメンでの脱落率20%に比べ、対照的」と述べている。

 

(米国学会短信 2016年6月21日)

ブリナツモマブでALL患者のOS延長

 米アムジェンはこのほど、再発または難治性のフィラデルフィア染色体陰性(Phマイナス)B前駆細胞性成人急性リンパ性白血病(ALL)患者を対象にした第3相臨床試験(P3)であるTOWER試験で規定されていた中間解析の最新データから、ブリナツモマブ(遺伝子組み換え)が、標準治療と比較して全生存期間中央値をほぼ2倍に延長したと発表した。無作為化オープンラベル試験であるTOWER試験ではブリナツモマブと標準治験の有効性を評価した。

 

 解析結果から、ブリナツモマブの全生存期間が7・7カ月だったのに対して、標準治療では4カ月だったことが示された。独立データモニタリング委員会からの提言に従い、アムジェンはこれらの結果に基づき試験を早期に有効中止した。

 

 ブリナツモマブはCD19とCD3に二重特異性を有するT細胞誘導「BiTE」抗体で、とくにB細胞系の細胞表面に発現するCD19およびT細胞表面に発現するCD3と結合する。米国食品医薬品局により画期的治療薬および優先審査品目に指定され、再発または難治性のPhマイナスB前駆細胞性ALLの治療を対象として米国で承認されている。

 

 また、2015年11月には、再発または難治性のPhマイナスB前駆細胞性成人ALL患者を対象として、欧州連合(EU)で条件付き承認取得が認められた。

 

(2016年6月14日)

乳癌新薬の海外P3に早期終了勧告

 スイス・ノバルティスは18日、乳がん治療薬として開発しているサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害薬「LEE011」(一般名・ribociclib、リボシクリブ)の第3相臨床試験(P3)について、第三者機関である独立データモニタリング委員会(IDC)から早期終了を勧告されたと発表した。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)で臨床的有意な改善が認められたため。

 

 エストロゲン受容体(ER)陽性・ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性の進行性乳がんを対象に行っている国際P3(MONALEESA−2)について、IDCによる中間解析でPFSの有意な改善が認められた。試験の前倒し終了を推奨されたが、ノバルティスは試験自体は継続して全生存期間(OS)なども評価する予定。
同試験に日本は参加していない。

 

 ノバルティスは同試験データなどを基に、世界各国での承認申請に向けて当局との協議を始める。CDK4/6阻害薬としては米ファイザーが開発した「パルボシクリブ」に続く。

 

(化学工業日報 2016年5月23日)

血液癌薬候補SF3B1調整薬が米P1へ

 エーザイの米研究開発子会社・H3バイオメディシンはこのほど、血液がん治療薬候補であるSF3B1調整薬「H3B−8800」について、米FDAから第1相臨床試験(P1)の開始を許可されたと発表した。エーザイは2020年度以降の上市を目指している。

 

 同剤は、がん細胞で認められるスプライシング異常を調整することを目的とした低分子・分子標的治療薬候補。スプライシング因子3bサブユニット1(SF3B1)を標的としている。

 

 SF3B1の異常は、骨髄異形成症候群(MDS)患者の約20%、慢性リンパ性白血病(CLL)患者の約15%に認められている。H3バイオメディシンが創薬した薬剤では初の臨床段階入りとなる。

 

(化学工業日報 2016年5月19日)

腎細胞癌でレンビマ米承認取得

 エーザイは16日、自社創薬の抗がん剤「レンビマ」(一般名・レンバチニブメシル酸塩)につい

て、進行性腎細胞がんに対するエベロリムスとの併用療法の適応で米国食品医薬品局(FDA)から

追加承認を取得したと発表した。同剤の米国承認は甲状腺がんへの適応に続き2つ目となる。

 

 「血管新生阻害薬の前治療歴を有する進行性腎細胞がんに対するエベロリムスとの併用療法」の適

応で承認を取得した。エベロリムスとの併用療法によって進行性腎細胞がんの2次治療以降で使用可

能となる。

 

 同適応については、FDAよりブレイクスルーセラピーと優先審査品目の指定を受けており、申請

から約6ヵ月で承認を取得した。

 

 腎細胞がんへの適応については欧州で今年1月に承認申請している。日本では当局と申請に向けて

の協議を行う予定。

 

(化学工業日報 2016年5月18日)

胃癌で抗PD−L1抗体が国際P3

 独メルクと米ファイザーは、免疫チェックポイント阻害剤の抗PD−L1抗体「アベルマブ」(一

般名)について、進行腎細胞がん(RCC)を対象にした第3相臨床試験(P3)を開始したと発表

した。日本も参加する国際共同治験。ファイザーの血管新生阻害剤と併用した場合の有効性、安全性

などを検証する。

 

 未治験の進行RCC患者を対象に、アベルマブとファイザーのチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)

「インライタ」(一般名・アキシチニブ)を併用投与する。ファイザーの別のTKI「スーテント」

(同・スニシチニブ)を単剤投与した場合より無増悪生存期間(PFS)の優越性があるか検証す

る。欧米アジアで行うグローバル試験で日本も参加する。目標症例数は約580例で、このほど最初

の登録患者への薬剤投与を開始した。

 

(化学工業日報 2016年4月26日)

ナノテク抗癌剤で幹細胞狙い撃ち

 ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)の片岡一則センター長(東京大学政策ビジョン研究セ

ンター特任教授)などの研究チームは、悪性中皮腫のがん幹細胞を狙い撃つことができる「ナノテク

抗がん剤」の開発に成功した。抗生物質のスタウロスポリンを抗がん剤のエピルビシン内包のミセル

に封入した。2剤を効果的にがんに送り届け、効果を高めるとともに副作用の低減を実現する。

 

 悪性中皮腫のがん幹細胞をスクリーニング。スタウロスポリンが、がん幹細胞に対して低濃度で効

果を示すことを確認した。一方、スタウロスポリンとエピルビシンが相互作用することを見いだし、

臨床第1相試験(P1)中のエピルビシン内包ミセルにスタウロスポリンを封入したところ、効率的

に内包できることを発見した。このミセルはがん組織周辺や癌細胞内の低ph環境に応答してスタウロ

スポリンをとエピルビシンを同時に放出する。スタウロスポリンが水に難溶性で静脈投与した場合に

失活してしまう問題を解消できる。

 

 悪性中皮腫細胞の同所移植マウスモデルで治療効果を検討。未治療群が1ヶ月で前例死亡したのに

対し、このミセル治療群は、前例で3ヵ月以上の生存を確認した。投薬中止後も半数以上の個体で9

カ月以上再発が起こらなかった。

 

 他のがんへの有効性についても確認を進めている。

 

(化学工業日報 2016年4月20日)

皮膚がん治療の「分子標的薬」、膵がんに有効…大分大など共同研究

 大分大は30日、東京大医科学研究所などとの共同研究で、難治がんの一つ、膵がんの進行を遅ら

せるのに、皮膚がんの治療で使われる分子標的薬が有効であることを動物実験で証明したと発表し

た。研究内容は米国の化学雑誌「Cancer Research」の電子版に掲載された。

 

 大分大によると、膵がんは、がんの中でも最も治療が難しいと言われ、多くが進行した状態で発見

される。研究では膵がんの進行メカニズムの解明に取り組み、今回、早期の上皮内のがんに移行する

際、がんを進行させる酵素を抑制する遺伝子がなくなることがわかった。

 

 この遺伝子に代わって、酵素の働きを抑えることが有効な治療法と考え、動物実験で、膵がん細胞

を移植したマウスに皮膚がんの治療で使用される分子標的薬を投与した結果、がんの増殖や転移を抑

えられることが分かった。

 

 さらに、分子標的薬を与えたマウスと薬を与えなかったマウスを比較すると、分子標的薬を与えた

マウスが平均して約30日長く生きることも分かった。

 

 筆頭著者の泥谷直樹助教は「さらに延命できるよう、今後も動物実験を繰り返し、治療薬開発の糸

口にしたい」と話した。

 

(読売新聞 2016年4月1日)

ロンサーフが欧州で承認勧告

 大鵬薬品工業は2月29日、新規抗がん剤「ロンサーフ」(一般名・トリフルリジン・チピラシル

塩酸塩)について、提携先の仏セルヴィエ社が欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会から承認勧告

を受領したと発表した。今後、欧州委員会で審議され、数ヶ月以内に承認を取得できる見込みだ。

 

 勧告の対象となる適応症は、フルオロピリミジン療法、オキサリプラチン療法、イリノテカン療法

や抗VEGF抗体療法、抗EGFR抗体療法を含む既存治療の施行後、またはこれらの治療法が適応

とならない、遠隔転移を有する成人の結腸・直腸がんの3次治療以降の使用を想定している。

 

 同剤は大鵬薬品の創製品。大鵬薬品は昨年6月にセルヴィエ社に対して欧州とその他の地域(北

米・日本・アジアを除く)での共同開発・商業化権を供与している。

 

(化学工業日報 2016年3月1日)

腫瘍溶解ウイルスなど欧州特許査定

 オンコリスバイオファーマは、腫瘍溶解ウイルス「OBP-301(テロメライシン)」と抗がん剤併用

療法に関する欧州特許出願が特許査定を受けた。併用抗がん剤は、トポイソメラーゼI阻害剤および

INGN−201(Adeno-p53)を含む。

 

 OBP-301は、ヒトアデノウイルス5型のE1領域にテロメラーゼプロモーター(hTERT)を組

み込んだ制限増殖型の腫瘍溶解ウイルス。テロメラーゼ活性が上昇しているがん細胞のなかで特異的

に増殖し、がん細胞を溶解させる。正常細胞中での増殖能力は極めて弱く、細胞毒性を示さない。

 

(化学工業日報 2016年2月26日)

膵癌治療薬候補の米P1開始

 富士フィルムは18日、抗がん剤候補「FF-10502」の臨床第1(P1)を米国で開始したと発表

した。膵臓がんなどの固形がんを対象にしたもので、世界トップレベルの研究・治療施設・米国テキ

サス州立大学MDアンダーソンがんセンターを中心に実施する。富士フィルムは同治療薬候補につい

て2022年の米国上市を目指している。

 

 同治療薬候補は他社からの導入品。合成に多くのプロセスが必要な独特の化学構造を有しており、

生産コストが高く実用化が困難とされていた。富士フィルムは自社の写真フィルム開発で培った化学

合成力・設計力を活用、同治療薬候補の合成プロセスを効率化することで、コスト低減を成功させ

た。

 

 同治療薬候補はがん細胞の核内に入り込みDNAの合成を阻害することで、がん細胞の増殖を抑制

すると期待されている。膵臓がんを対象としたマウスモデル実験では、既存の薬剤と比較して、同等

の安全性でより強く腫瘍組織を退縮させるという高い治療効果を示している。患者由来の細胞を用い

た実験では、膵臓がんだけではなく、肺がん、卵巣がん、膀胱がんといった広い範囲の固形がんにも

強い効果があることが確認されている。

 

 米国P1はMDアンダーソンがんセンターを含む2施設で実施する。同治療薬候補の安全性と初期

の有効性を確認する。

 

 富士フィルムは同治療薬候補について日本でも早期に治験を着手したい考え。

 

(化学工業日報 2016年2月19日)

中皮腫と卵巣癌の抗体薬を最終治験

 エーザイの米子会社であるモルフォテックが創薬した抗体医薬品の開発が進んでいる。悪性胸膜中

皮腫に対する抗体医薬「MORAb−009」(一般名・amatuximab)の欧米第2/3相臨床試験

(P2/3)の患者組み入れが始まった。プラチナ感受性卵巣がんに対する抗体医薬「MORAb−

003」(同・ファルレツズマブ)の追加P2も着手している。順調に進めば、2つの試験ともFD

A(米食品医薬品局)など当局への申請に向けた最終治験となる見込み。エーザイは2つの抗体医薬

を「レンビマ」「ハラヴェン」に続く抗がん剤として上市することを目指している。

 

 009は、膜たんぱく質メソセリンに対するキメラ型IgG1抗体。メソセリンを発現している中

皮腫などのがんに対して抗腫瘍効果を発揮すると期待されている。

 

 エーザイはこのほど、009の悪性胸膜中皮腫を適応症とする欧米P2/34を開始した。プラセボ対

照比較試験で、未治療切除不能な悪性胸膜中皮腫患者に対し、標準化学療法であるペメトレキセドと

シスプラチンに009を併用したときの全生存改善効果を調べる。欧州、米国などから560人の患

者を登録する。まずはP2部分からのスタートだが、中間解析で良好なデータが取得できればP3部

分に移行する計画。009については国内開発も検討している。

 

 葉酸受容体α(FRA)に対するヒト化IgG1抗体MORAb−003は、プラチナ感受性卵巣

がんを適応症として日欧米で追加P2を実施している。003は以前実施した国際共同P3において

主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)で統計学的有意差が得られなかったため、エーザイは

開発戦略を練り直していた。

 

 国際共同P3のデータから、003は腫瘍マーカーであるCA125が低い卵巣がん患者に効果を

示すことが明らかになった。この結果を受けてエーザイはCA125マーカーで患者を絞り込んだ追

加P2に着手している。エーザイは追加P2で良好なデータを取得できれば、日欧米で承認申請する

計画だ。

 

 009、003のいずれも上市できれば、モルフォテックの創薬品として初となる。

 

(化学工業日報 2016年2月1日)

癌二重特異性抗体で5年内治験へ

 協和発酵キリンは、がん領域で2つの異なる抗原に結合するバイスペシフィック抗体(二重特異性

抗体)の開発に乗り出す。現在、前臨床試験段階にあり、5年以内の治験入りを計画している。同社

は新たな創薬基盤技術として核酸医薬と二重特異性抗体の2つの開発に注力していく方針。

 

 同社が開発しているのは、がん治療に用いる二重特異性抗体。通常の抗体医薬は結合する抗原が1

種類だが、バイスペシフィック抗体は2種類の抗原に結合できるため標的への特異性が高まり、治療

効果に優れた抗体医薬の創出が期待できる。

 

 すでに候補化合物を選定し、実験動物を用いたin vivo試験で評価している。前臨床試験で薬効が

められれば、生産技術の確立や毒性試験などを経て、5年以内の治験入りを目指す。がん治療用と

て開発しているが、標的とする抗原は明らかにしていない。

 

 同社は低分子医薬や抗体医薬に続く新たな創薬基盤技術として、核酸医薬の開発にも着手してい

る。独自の脂質ナノ粒子をドラッグデリバリーシステム(DDS)に使用した核酸医薬で、がん治療向

けに3年以内の治験入りを計画している。

 

 同社の佐藤洋一取締役常務執行役員・研究開発本部長は「次の開発フォーマットとして、核酸医薬

と抗体医薬の応用版である二重特異性抗体が有力なツールだと考えている。開発に向けてかなりの経

営資源を投下している」という。

 

 また、同社は抗CCR4抗体モガムリズマブに続く腫瘍免疫治療薬候補の開発にも着手している。

「有望な候補化合物が2〜3ある」(佐藤常務)としている。

 

(化学工業日報 2016年2月1日)

結腸直腸癌患者に新抗癌剤で抗腫瘍効果

 大日本住友製薬は、米サンフランシスコで開催された米国臨床腫瘍学会消火器癌シンポジウム

(ASCO-G1)の年次総会で、開発中の抗がん剤「BBI608」(ナプブカシン)に関するポスター発表

を行った。前治療歴のある進行性の結腸直腸がん、前治療歴を有するまたは前治療歴のない進行性の

膵がん患者において、他の治療薬との併用時に初期の抗腫瘍効果を示唆するデータが得られた。

 

 演題は、「転移性膵管腺がん(mPDAC)(ゲムシタビンおよびナブパクリタキセルとの併用)の

phase1b試験(BBI608-118試験)の結果」「進行性膵がん(weeklyパクリタキセルとの併用)の

ph1b/2試験(BBI608-201試験)の結果」「進行性結腸直腸がん(FOLFIRI/FOLFIRI+ベバシズマ

ブとの併用)のph1b試験(BBI608-246試験)の結果」の3つ。

 

(化学工業日報 2016年1月28日)

肺癌など対象にR1標識抗体の米P1開始

 富士フイルムは14日、放射性同位体(R1)を標識した抗体「FF-21101」の第1相臨床試験(P1)

を米国で開始したと発表した。肺がんなどの固形がんを対象としたもので、がん領域で世界トップレ

ベルの研究・治療施設・米国テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターで実施する。迅速承認

制度を活用して、2020年度にも米国上市を目指す。

 

 同薬剤候補は、R1を標識した抗体をがん細胞に集積させ、R1から放出する放射線で直接がん細胞

を攻撃する仕組み。従来の抗体医薬とは異なり、患者の免疫機能の状態にかかわらず高い効果が期待

できる。

 

 同薬剤候補は固形がんの細胞表面に多く発現しているP-カドヘリンを標的とした抗体で、肺がんや

膵臓がんなどの細胞に高い集積性を有する。マウスモデルでの動物実験では、がん組織を大幅に縮小

し高い治療効果を示している。

 

 今回の米国P1では同薬剤候補の安全性と初期の有効性を確認する。登録患者数は最大で54人を計

画している。日本では17年頃の治験入りを目指している。

 

 同薬剤候補の抗体開発は子会社で創薬系バイオベンチャーのペルセウスプロテオミクスが、また抗

体製造はバイオ医薬品受託製造会社(CMO)フジフイルムダイオシンスバイオテクノロジーズが担

当。抗体にR1を標的するプロセスの開発には富士フイルムR1ファーマの技術を活用している。

 

(化学工業日報 2016年1月18日)

ALL対象癌免疫薬、P2で有意な結果

 米アムジェンは、急性リンパ性白血病(ALL)を対象としたがん免疫薬「ブリナツモマブ」第2相臨

床試験(P2)の成績を、このほど開催された米国血液学会(ASH2015)で発表した。

 

 多施設共同単一群P2での単剤療法を受けた微小残存病変(MRD)陽性の成人B前駆細胞性ALL患者に

おいて、副次的評価項目の無再発生存期間(RFS)に臨床的に有意な結果が認められた。RFSの中央値

は投与開始後18.9カ月。

 

 同剤は、CD19とCD3に二重特有性を有するT細胞誘導抗体。米食品医薬品局(FDA)により画期的

治療薬および優先審査項目に指定され、現在は再発または難治性のPh-B前駆細胞性ALLの治療を対象

として米国で承認されている。日本では、アステラス・アムジェン・バイオファームが第1相臨床試

験(P1)を進めている。

 

(化学工業日報 2015年12月16日)

多発性骨髄腫新薬が米で発売

 武田薬品工業は14日、多発性骨髄腫治療剤「NINLARO」(一般名・イキサゾミブ)を米国で発

売したと発表した。米国食品医薬品局(FDA)の審査期限より約4ヵ月早く承認された新薬。

 

 前治療歴のある再発・難治性の多発性骨髄腫に対する治療薬として販売開始した。レナリドミブ、

デキサメタゾンとの併用両方で、4週間の治療サイクルのうち3週間で週1回投与する。

 

 イキサゾミブは多発性骨髄腫治療に用いるプロテアソーム阻害剤としては初めての経口剤。米国で

は今年、競合他社の同阻害剤、抗体医薬なども相次ぎ承認され、多発性骨髄腫の新薬開発ラッシュが

起きている。

 

(化学工業日報 2015年12月16日)

イキサゾミブで無増悪生存3割延長を報告

 武田薬品工業は、米国で開催中の米国血液学会年次総会(ASH)で、自社開発した経口プロテア

ソーム阻害薬「イキサゾミブ(一般名)」などの臨床試験結果を発表した。イキサゾミブは、先ごろ

多発性骨髄腫治療薬として米国承認された根拠となった臨床試験の結果を報告。既存薬との併用で無

増悪生存期間(PFS)を約3割延長するデータを得た。

 

 再発・難治性の多発性骨髄腫を対象としたイキサゾミブの第3相臨床試験(P3)「TOURMALINE-

MM1試験」の最新データを発表した。レナリドミド、デキサメタゾンとの併用で、両剤とプラセボを

併用した場合と比較した。主要評価項目のPFSは、イキサゾミブ群が20・6カ月、プラセボ群が

14・7カ月と統計学的有意差が得られた。有害事象は、各薬剤で報告されている安全性プロファイ

ルと同様だった。この試験結果をもとに、欧州でもイキサゾミブを承認申請している。

 

 ASHでは、ホジキンリンパ腫などの治療薬として販売している「アドセトリス」の長期データなど

も報告した。自家造血幹細胞移植後の再発・難治性のホジキンリンパ腫に対し、推定5年生存率は

41%、全存続期間の中央値は40・5カ月、PFSの中央値は9・3カ月だった。

 

(化学工業日報 2015年12月9日)

日本でP2の癌悪液質薬、欧州承認申請

 スイスの製薬会社ヘルシンは、がん悪液質治療薬「アナモレリン(一般名)」の販売承認申請が欧

州医薬品審査庁(EMA)に受理されたと発表した。同剤は中外製薬の欧州子会社が欧州7ヵ国での独

占的販売権を持っている。

 

 アナモレリンは、非小細胞肺がんの治療にともなう食欲不振、悪質液などを改善する薬剤として開

発された。欧州では、ドイツ、フランス、英国など7ヵ国での独占的販売権を2013年に中外製薬

が取得しており、承認後は欧州の販売子会社・中外ファーマ・リミテッド(CPM)が販売予定。

 

 日本では小野薬品工業が独占的開発・販売権を持ち、非小細胞肺がん患者のがん悪質液を対象とし

た国内第2相臨床試験を実施中。

 

(化学工業日報 2015年12月3日)

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